心のうちに鳴る
マンガのはなしです、って最初に断り書き。
河合克敏さんというマンガ家さんの「とめはねっ!」という書道マンガの13巻が出たです。主人公の高2男子が、心を寄せる女子に、ライバル男子が先に告ってしまうところを目撃。眠そうな顔の(さえない)主人公と違い、ライバル男子はイケメンなうえ、書道も高校生としてトップレベル(書の甲子園で最高の賞を受賞←書道マンガだからw)というベタな設定。「先に告られた~」とショックを受けてるところで開いた現代短歌集(書道のネタ探しのためなのよ)に載ってた歌(短歌)。
って前ふり長っ。
歌は人の心のうちに鳴る楽器 いつどこにあれど 響く確かに
(小塩卓哉歌集「樹皮」本阿弥書店刊)
この歌で主人公はショックから立ち直る(早い)
ああ、すげえな~。言葉の(芸術の)力。
後半は現代書道作品が出てくるんですが、これがまたね。
井上有一という書家の「噫(ああ)横川国民学校」という作品。
ウチのやどろくが、コミック単行本見ながら泣いてるんで何事かと思ったよ。
縮小印刷されてる書にやられて(感情を揺さぶられて)どうにもならなかったそうで。
すごいよ、芸術の力。
で。
ピアノ演奏も、芸術だから、こういうものとどこかでつながってる。
ぐゎしぐゎしと心をつかんで揺さぶる。
でも、残念だけど、私のピアノはつたなすぎでとてもとてもそこにつながってるとは思えない。つながってるなんてオソロシクて言えやしない。
…でも、本当はやっぱりつながってるハズなんだ。
ほっそいほっそい蜘蛛の糸のようなものかもしれないけれど。
つながっていますように。つながっているといいな。
そんな気がする冬の夜。